20年前には,イーサネットが紹介され,インテル8088プロセッサと,モトローラ68kプロセッサが最先端の技術として注目を集めた。それらの製品が,後にどれだけ普及したか。20年目のコムデックスは,また新たな扉を開く。
マイクロソフト社のCEO,ビル・ゲイツは14日,コムデックス/秋の基調講演で,ウェブデバイス「MSNウェブ・コンパニオン」を2000年なかばに発売すると発表した。これはウインドウズCEを改良したOSを搭載し,マイクロソフトのMSNサービスに接続される。ノートパソコンに似ているが,画面つき電話機,ハンドヘルド・コンピューター,テレビ用セットトップボックスとしての側面も持ち,数年前にオラクル社の提唱したネットワークコンピューターのコンセプトも引き継ぐと見られている。
20年目の扉を開いたコムデックスは,小型ネットワーク端末のニュースで幕を開けた。MSのウェブ・コンパニオン,そして,ソニーとパームの提携だ(CNET Japanの記事)。ハンドヘルドでトップを走るパームとしては,MSに対抗すべく,強い味方を得たことになる。かたやソニーとしてはメモリースティックの普及をもくろみながら,狙うは,パームOSを搭載したウェブデバイスか? 携帯ゲーム機か? はたまたその両方か?
で,もうひとつのMSNウェブ・コンパニオン。記事中にプロトタイプ機の写真があるが,てんでんばらばらで,まだ何も決まってないっていう感じ,なんか妙にばかでかく見えるし…(^^;。だがMSの視界,というよりは業界全体の視界は定まっているのが感じられる。明らかに失敗に終わったウインドウズCEの再興と,パームのさらなる動き。ともに次世代ワイヤード端末としての争いが口火を切ったのだ。そしてその先には,常にワイヤードにアクセスでき,より手短にアクセスできる端末,果てはウェアラブルコンピュータまで繋がっているのだろう。開かれた20年目の扉,差す光の先は,見えている。
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